【感想・解説】死霊館(The Conjuring)
・「死霊館」って?
「死霊館」(原題:The Conjuring)(2013年アメリカ)は、実在する悪魔研究家エド、ロレイン・ウォーレン夫妻の解決した中で、最も邪悪とされた事件を描いた映画です。
「最も」ってつくとハードルが上がりますよね。
ところで原題ですが、名詞のconjuringは奇術、手品といった意味なのですが…ん?なんだか面白いですね。なぜこんな題名なのでしょう…英語の題名って簡潔なのが多いですよね。
それにしても日本語の題名…だ、ださい!B級みたいだぞ!
監督はジェームズ・ワン。「ソウ」とか、「インシディアス」とかも手がけた監督ですね。個人的には好きな作品ばかりなので、いや間違いないわ…といった感じ。
キャストはウォーレン夫妻にパトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガ。
パトリック・ウィルソン、彼も有名なのは「インシディアス」かなと思います。
ヴェラ・ファーミガは綺麗な方ですね。彼女については知らなかったんですが、ドラマの「ベイツ・モーテル」に出てたのも彼女。確かにそうだったかも。この2人はシリーズの重要人物なので、今後も出てきますよ。
ほかの人に関してはいっぱいいるしぶっちゃけ役者さんの事は詳しくないのでカットします🦀
・あらすじ
野中に建つ古い一軒家に引っ越してきたペロン一家。引越し初日から続く怪現象に危険を感じウォーレン夫妻に助けを求めます。ウォーレン夫妻は、教会が唯一公認した悪魔研究家のエド・ウォーレンと、透視能力(この作品では霊能力に近い感じですね)を持つ妻ロレインの夫婦。
邪悪で危険な霊が取り憑いた家を清めるため、彼らは悪魔祓いの許可を得るための証拠集めを始めます。そんな中でエドとロレインは恐ろしい真実にたどり着きます。
しかし霊はペロン一家の母キャロリンに取り憑いて、娘を殺そうとします。彼女を止め、救うためにエドはその場で悪魔祓いを試みる…
…
という内容なのですが、怖いか怖くないかで言ったら個人的には…あまり怖くはなかったです。(もちろん人によると思います。)
このシリーズって結構バーンて驚かしてくることが多いんですが、全体的にどの話でも教科書通りの驚かし方しかしてきません。「来る!」って思ったら来ます。簡単だね。
あと、詳しくはここではまだ書きませんが、細かいシーンでもなんとなく覚えておくと、次作以降で「あっ」となることがあるはずです。シリーズの中での作品同士の繋がりって面白いですよね。
・ここからネタバレ!「死霊館」の解説、解釈
ここからはネタバレになるので、見たくない方は最後の評価の所まで飛ばしてください。
①ウォーレン夫妻の事件解決録
ウォーレン夫妻は講演会で、自分たちの解決した事件について語ります。
その中の1つ、アナベル人形の事件。映画の冒頭で触れていますね。ウォーレン夫妻が解決し、人形は彼らの家で保管されているようです。
アナベル人形はあまりに有名になりましたが、この「死霊館」では直接関わってくることはほとんどありません。
じゃあどこで出てくるの?
次回作でがっつり出てくるので、ご安心下さい!
あと回想で出てくる悪魔祓いのシーン、これもちょっと覚えておいてもいいかも。
②悪魔について
どうやら悪魔の活動には3段階あるらしいです。まず「出没」、囁き声や足音で存在を知らせます。次に「攻撃」、精神的に脆くて影響を受けやすい人を標的にし、攻撃して弱らせます。そして弱って意志の力を削いだところで最終段階「憑依」をします。
なんとなく悪魔のことがわかりましたね。これを頭の隅に残しつつ、内容を見ていきましょう。
③ペロン一家
映画の舞台となる家の住人ペロン家の皆さんを先に並べておきます。
父ロジャー、母キャロリン、娘アンドレア、ナンシー、クリスティーン、シンディー、エイプリル、そして犬のセイディー。
キャロリンは恐らく専業主婦ですね。シンディーは前から夢遊病の症状があったようです。エイプリルは学校に行ってないので未就学児でしょう。
犬のセイディーは、引っ越してきた初日の夜に死んでしまいます。かわいそうなイッヌ…🐶
④呪われた家
・この家の最初の持ち主(1863年)は農家のジェドソン・シャーマン、妻のバスシーバ。
バスシーバはセイラム魔女裁判の死亡者メアリー・エスティの親類です。セイラムの魔女裁判はとても有名ですね。興味のある人は調べてみてください。
バスシーバは生後七日目の自分の子供を悪魔の生贄にしようとしました。しかし夫に見つかり、彼女は庭の木で首吊り自殺をします。悪魔に忠誠を誓いながら…。
さて、なんだか雲行きがあやしいですね。彼女は自殺の際、この土地を奪う者を呪うと宣言しましたが…
ところで、生後七日目というのには何か意味はあるのでしょうか?日本にはお七夜というのがありますよね。
知ってる方いたら教えてください。
・次の入居者であったウォーカー夫人の息子ローリーが失踪、夫人も地下室で自殺します。
・その後土地は分割して売られましたが、敷地内に住む少年や隣の家のメイドが死亡するなど、不可解な事件が起きます。
・バスシーバの言う「この土地を奪う者」は、この土地に住む者という訳ですね。
⑤怪現象ラッシュ!
さて、ここでペロン一家を襲った怪現象について、ゆっくり見ていきましょう。
・家中の時計が3時7分で止まる
→バスシーバの死亡時刻は3時7分。ウワーッ!!…とは思いますが、だからどうしろと言うんでしょうか。
・謎の腐敗臭
→悪魔が活動する時のにおいらしいです。迷惑なことです。
・クリスティーンが寝ている間に足を引っ張られる
・クリスティーンがささやき声を聞く
→これらは連続して起きたので、同一の霊の仕業かもしれませんね。
ささやき声で存在を知らせるのは悪魔の仕業ですから、もしかしたらバスシーバかな?
・クローゼットの上に老婆の霊、アンドレアに襲いかかる
・母キャロリンが何か飲む
→うーん、キャロリンは何か飲みましたね…いいものでは無いことは確かです。話の流れ的にはゲボーッて何かを流し込んでるのはバスシーバでしょう…オエッ…。気持ち悪いけど、この表現もシリーズの中では覚えておいていいと思います。オエッ…。
アンドレアを襲った老婆も同じ姿(ネグリジェみたいな)をしているので、アンドレアを襲ったのもバスシーバだと分かります。
・エイプリルが幽霊と話す
→ローリーという名前です。ん?ローリー?ヒエーッ。彼とは、オルゴールの鏡を通して会うことができるようです。ロレインが見たのは、白襟の黒い服の男の子の姿。
・絵画が落ち、笑い声が聞こえる
→笑い声は子供のものでした。ローリー?
・暗闇から手が伸びて、手を叩く
→1回目はクローゼット、2回目は地下室の階段で起きました。クローゼットはローリーの隠れ家があるようです。これもローリーの仕業でしょうか?
・シンディーが取り憑かれて徘徊する
→取り憑かれたシンディーはローリーの隠れ家に向かいます。マイクは子供の声を拾っていました…こ、これもローリー!?
いや、ローリー主張強くね?と思ったけど、ローリーと断定できるものはその一部ですね。子供の声などは、後に死んだ他の子供のものである可能性もあるでしょう。
・ついでに、メイドの霊
→メイドも死んでますよね。ところで、彼女の言う「あの女がやらせた!」とは…???
そのうち分かるとしましょう。
ここで先程の悪魔の活動3段階を思い出してみると、もう憑依チェックメイトって感じですよね。
⑥バスシーバ
・ロレインは地下室にて、ウォーカー夫人の霊を見ます。
(ところで地下室に落ちた時結構な高さ落下したけど、よく無事だったね、ロレイン)
ウォーカー夫人は血のついたナイフと、ローリーと思しき子供を抱えています。『あの女がやらせた…ッ!!』
そう、ローリーは失踪ではなく、ウォーカー夫人によって殺されたのです!!ウォーカー夫人はバスシーバに取り憑かれていたのでしょう…。かわいそうに。
きっとあのメイドの霊も、取り憑かれて誰かを殺したメイドなんでしょうね。はぁ…。
・バスシーバは母親に取り憑いて、子供を殺させるのです。神の授かりものである子供を殺すことは、神に対する冒涜だそうで。
生前バスシーバがし損なった生贄の儀式の再現のようでもありますね。
・取り憑かれたら子供を殺しちゃうみたいだから、気をつけないとね。
ん?キャロリン、そういえば何か飲み込んでなかった???んん〜???
…手遅れ感が半端ないまま、物語は終盤へ。
⑦悪魔祓い決行
・とにかくとりあえず家を離れた一家ですが、キャロリンがクリスティーンとエイプリルを連れてあの家へ向かってしまいます。
で、2人を殺そうとします。
あーっ、やっぱりもう取り憑かれてた…。
人選がちょっと謎ですね。末の2人ではなく、あえての三女と五女。
手近な所にいたのかな?ここら辺は私には分からないということで。
・どうやらキャロリンの体が家から出ると彼女は死ぬようだし、神父が来るのを待ってたらキャロリンが持たないしということで、エドが悪魔祓いを行うことにしました。
順調…と思いきや、暴れて拘束を解いてしまいます。まだ保護されていなかったエイプリル目掛けてまっしぐら、絶体絶命!!
・まぁ間に合うんですけどね。エドが悪魔の名前「バスシーバ」を呼ぶことにより、悪魔はキャロリンの体から去りました。
これも重要ですよね。悪魔は、自分の名前を呼ばれると弱い。だから悪魔祓いをする時にはその名前を聞き出すんですね。
とりあえずペロン家から悪魔は去り、まぁめでたしと言ったところでしょう。
・「死霊館」の評価
怖さで言うとまずまずといったところですが、世界観の作り込みや雰囲気、話の展開となどの点では個人的にはわりと高評価です。
ただあのお涙頂戴みたいな解決方法はホラー映画としては…でもいい話でした。
びっくり★★☆☆☆
気味悪い★★★☆☆
グロい★☆☆☆☆
セクシー☆☆☆☆☆
寝れない★☆☆☆☆
てな感じですね!星が少ないのは低評価ということではなく、これはあくまで項目別の特徴です。
これで言うと全体的に若干不気味な雰囲気を出しつつちょっとびっくりさせてくる…みたいな。察して。
前のブログからこの記事を移すにあたってもう一度観直して、内容も変えたのですが
前のブログ、クリスティーンちゃんのこと男の子と勘違いしてました。確かにちょっとボーイッシュだけども。笑
ブログ引越しして初の映画記事です。いかがでしょう〜しばらくはこんなふうに前のブログの記事の移動ですが、内容も改善して載せる予定なのでお付き合い頂ければと思います。
では!